夜中に何度もトイレに起きる原因とは?泌尿器科専門医が解説
夜間に1回以上トイレに起きる「夜間頻尿」。加齢のせいだと諦めている方も多いですが、原因は人それぞれです。当院での評価方法と、今日からできる生活の工夫を泌尿器科専門医が解説します。
「夜中に何度もトイレに起きてしまって、ぐっすり眠れない」——こうしたお悩みは、年齢とともに増えていきます。一般的に、就寝中に1回以上トイレに起きる状態を「夜間頻尿(やかんひんにょう)」と呼びます。睡眠の質を下げ、日中のだるさや転倒のリスクにもつながる、生活への影響が大きい症状です。
「歳のせい」とおっしゃる方が多いのですが、実は原因は人それぞれで、適切な評価をすることで改善の見込めるものがほとんどです。今回は夜間頻尿の主な原因と、当院での診療の流れをお伝えします。
夜間頻尿の主な3つの原因
① 夜間多尿(夜だけ尿量が増える)
夜間に作られる尿量が多くなる状態です。加齢で抗利尿ホルモンの分泌リズムが変化すること、心血管疾患(心不全・高血圧)、夕方以降の水分・カフェイン摂取、夕方のむくみが背景にあります。一日の総尿量に占める夜間の割合が33%(高齢者では33%以上、若年者では20%以上)を超える場合に夜間多尿と評価します。
② 膀胱容量の低下(過活動膀胱など)
膀胱に貯められる尿の量が少なくなり、少量でも尿意で目が覚めてしまう状態です。過活動膀胱、慢性膀胱炎、間質性膀胱炎などが代表的です。日中も頻尿(8回以上/日)を伴うことが多く、急に強い尿意がくる「尿意切迫感」が特徴的なサインです。
③ 睡眠の問題
実は「眠りが浅いから目が覚めて、ついでにトイレに行っている」というケースも少なくありません。睡眠時無呼吸症候群、不眠症、加齢による睡眠の浅化が背景にあることがあります。この場合、トイレが原因で目が覚めているわけではないため、泌尿器科だけでなく睡眠外来との連携が大切になります。
放置するとどうなる?
- 睡眠の質低下による日中の倦怠感・集中力低下
- 夜間の転倒リスク(特に高齢者では骨折につながる重大な問題)
- 高血圧・心血管疾患の悪化(夜間多尿は心不全のサインのことも)
- うつ症状・不安症状の悪化
夜間頻尿は、睡眠の質低下や夜間のトイレ移動による転倒など、日常生活に大きく関わるお悩みです。「歳のせい」と決めつけずに、一度評価をおすすめします。
当院での評価の流れ
- 1問診(症状の経過・服薬歴・生活習慣・既往歴)
- 2排尿日誌の記録依頼(3日間)— 飲水・排尿量・タイミングを記録
- 3尿検査(感染・血尿・糖の確認)
- 4超音波検査・残尿測定(膀胱・前立腺の評価)
- 5必要に応じて血液検査(腎機能・PSA・夜間ホルモン)
今日からできる生活の工夫
- 就寝3〜4時間前から水分・お茶・コーヒー・アルコールを控える
- 夕食以降の塩分を控える(むくみ→夜間多尿の予防)
- 夕方〜寝る前に脚を上げる時間を作る(むくみの就寝前解消)
- 就寝前にトイレに行く習慣をつける
- 適度な運動で日中の活動量を増やし、夕方のむくみを抑える
受診の目安
下記に当てはまる方は、お早めにご相談ください。
- 夜間に2回以上トイレに起きる日が続く
- 夜間にトイレで転倒したことがある、または転びそうになった
- 急に強い尿意がきて漏れそうになる
- 日中も8回以上トイレに行く
- 高血圧・糖尿病・心疾患の既往がある
よくあるご質問
Q. 水分は控えた方がいいですか?
極端に控えると脱水や尿路感染のリスクがあります。一日の総量はそのままに「飲むタイミング」を見直すことが大切です。具体的には就寝3〜4時間前以降の水分を少なめにします。
Q. 薬で改善しますか?
原因によります。過活動膀胱が背景なら専用のお薬で改善が期待できる方が多くいらっしゃいます。夜間多尿には抗利尿ホルモンのお薬という選択肢もあります。生活指導と合わせて検討しましょう。
Q. 紹介状は必要ですか?
不要です。健康保険証をお持ちのうえ、お気軽にご来院ください。
夜間頻尿でお悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度ご相談ください。
監修:当院 副院長 川西 誠(日本泌尿器科学会専門医)
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気になる症状があれば、まずはご相談ください。
当日の飛び込み受診も大歓迎ですが、事前にお電話・WEBでお問い合わせいただくとスムーズです。
小阪イナバ:火・水・金 9:00〜12:00 / 15:00〜18:00(木は午前のみ/金は第1・3・5週)
若江岩田:月・金(第2・4週)9:00〜12:00 / 15:00〜18:00